今日から

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遥かな友に

学生時代、合唱団にいたことがある。

その合唱団の愛唱歌がこの「遥かな友に」だった。


テナーソロから始まるロシア民謡「カリンカ」「マタイ受難曲終曲」、、、

三年生の秋までの在籍していた間、指揮棒が振り下ろされると気持ちの良い緊張感と厚みのあるハーモニーが身を包んだ。

今も心に残る曲、懐かしさに目を閉じたくなる曲はいくつもある。けれど、私はこの曲の優しさが一番好きだった気がする。

定演のアンコール(?)、コンパの最後、折に触れて歌われた。


サラサラヘアのおかっぱ頭を振って、団を率いていた一学年上の指揮者が亡くなっていたことをネットで知った。


「僕はね、子供達にミュージカルをさせるのが夢なんだ」と根っからの明るさで私に語った彼は50代で去られた。


才能に溢れ、いつもエネルギッシュで、きっとその夢を果たされるだろうと思っていたけれど、教育者として音楽家としての足跡を残し、駆け抜けて行ったようだ。


遥かな友に、、、

Kさん、この歌、今思い出すと旅立たれた方へのレクイエムに感じられる。

あちらで指揮棒振られていますか。