今日から

日々を綴る

闘わない

朝っぱらから大きな声で文句を言われ、「はい、ごめんなさいね。」と口先だけで謝りはしたが、内心では「ちっちゃいんだよ。いちいちうるさいなー」と毒付いて庭に出た。


夫が目を三角にして怒ったのは、3袋入っているドライイーストがまだ一箱あるのに、先日買って来た新しい箱を私が開けたから。夫は週一くらいで自分の朝食用の食パンを焼く。パンは、パンの材料管理はオレの縄張り?ちっちゃ。


まだ残っている箱にパンを焼かなくなった私が気が付かなかったけのことだし、私が気付かなかったイーストにしても次から使えばいいというだけのことではないか。個包のなのだからno problemである、どう考えても。


が、夫は開封された箱がいくつもあるのが嫌だとかナントカまだ文句を言っている。

その声をふりきって春爛漫の日差しが降り注ぐ庭に出た。

一番好きな季節。明るくて昔植えた球根がまた今年もあちこちから葉を伸ばし花を咲かせ。


私はひとりだ。ひとりで花を眺めている。それがどうした。


そうだ、テントを張ろう!

自室に戻り、押し入れの奥にしまっておいたソロテントを引っ張り出して悩むこと数十分。


覚えていない。説明書を読んでもさっぱり分からない。が、それも想定内のこと。手際よく完成させられるなどとは微塵も思っていない。ひとつのものを作り上げるのもボケ防止と、投げ出さずに最後までやるという目標のもとに格闘すること、、、、どれくらい?


やれやれ、完成、と濡れ縁に腰掛け、暑くなったのであずきバーをかじりながらテントを眺めていたら、なんと左手から孫が突然登場。


なにしてんの?何食べてるの?

母親譲りの早口で立て続けに質問される。いやー、不意をつかれたとはこのこと。座椅子を入れてコックピットのようになった小さなテントとアイスをくわえた祖母を見やり、戸惑ったようなニコニコ顔で、すっと帰って行った。


何処かで掘って来たのか台所には筍が置いてあった。今日は体操教室だから、筍だけ届けにきたのだろう。あっという間に三年生になった孫が下手に消えて、再び濡れ縁にひとり。


太陽の下の孤独。

それがどうした。

どうしたというのだ。