今日から

日々を綴る

カヌレ

子供たちが小さかった頃、よくケーキを作った。

その中で、長女はサンドトルテ、次女はバナナケーキが好きだったと教えてくれたのは数年前のこと。(早く言ってよ〜)私自身はガトーショコラが好きだった。


ケーキを焼かなくなって久しい。けれど、アラフォーの娘達の遠い記憶に母の焼いたケーキの味があることは少し切なさを伴った喜びではある。


さて、そんなことはともかく、数日前、「こっくりとしたガトーショコラが食べたい」と呟いたら、夫が寂れ方ももう街の風景として定着した感のある我が街に数年前に出来たケーキ屋さんで、チョコレートケーキを買って来てくれた。


なかなかの味だった。

そして夫は食べながら何とも嬉しい事を私に伝えた。


凝ったカヌレがあったので、「プレーンはありませんか。」と訊いたら、「焼きますよ。但し時間はかかりますが」とご亭主は答えたそうで。


実は私はこのところ、表面がバリバリしたカヌレに惹かれている。何度か取り寄せてみたりした。


先週、訪問リハビリに来てくれているAちゃん先生が、「カヌレって美味しいですよねー」と言ったので、これは聞き捨てならぬとしばしその話題で盛りあがったばかりだ。


そして、それから週をまたがず夫の土産話。

こ、これは飛びつくしかない。

夫は早速電話して注文。焼きたてを食べられるそうだ。残念ながらAちゃん先生は持ち帰りになるが、リベイクの方法もあろう。ともかく来週が楽しみだ。


あのコロンとした飾り気のないカヌレ、

店頭にないものを焼こうと言ってくれたケーキ屋さん、明るい声で電話をかけていた夫、Aちゃん先生の反応は如何に。幾つものことを思って、久しぶりにウキウキと嬉しかった。


(美味しいといいな。いや、美味しいに違いないですよね。))