朝は希望だろうか。
そして私はワインを流し込む。
夜中に目覚め、無理矢理眠ろうとして先日来、何日かおきに3回ほど催眠剤を飲んだ。
昨日は案の定の悪夢だった。
私の部屋にどこの誰とも知れぬしわくちゃの老人が入り込み背中を丸めて座っている。そのうちにいつの間にか私の横になっている背後に来てクチャクチャと音を立てて何か食べている。
あっちへ行って、お願いだからあっちへ行って。絶叫して追い払おうとする。これは悪夢だと夢の中で気づいている。それでも叫ばずにはいられない。
催眠剤を連用すると必ずこんな夜が来る。夫には泣いても叫んでも来なくていいと言ってある。けれど今回はあまりに声が大きかったらしく、気がつくと恐怖に目を覚まして縮こまっている私の横に立っていた。
夫は「大丈夫か。」と言って私の肩をポンポンと叩いた。
薬の副作用が怖い。今7種類の薬を一日に13回飲んでいる。病気も進行してはいるが、これらの薬がいずれ副作用を誘発するにに違いない。
催眠剤はまたしばらくやめよう。
少しワインが回ってきたみたい。ふわりとしているうちに目を閉じれば眠れるだろうか。
テレビはタイマーをかけ忘れてつけっぱなし、メガネかけっぱなし、電気つけっぱなし。これではいくら悪夢にうなされようと、夫に横に寝てとは言えない。
ひと眠りした後、前日に買った美味しくもない白ワインを流し込む12時。
うーん、もう一杯か。