義妹は連れ合いのことを「おっとっと」と言う。
うちの夫は着るものに興味が無い。
清潔ならばいいのだという。
道理ではある。いいですよ、自分はね。
と、放って置いたらえらいことになった。だるんだるん。一言で形容すると。
で、かましてやりました。
「ちょっと鏡を見ていらっしゃい。酷すぎる。」
その日はとりわけ素晴らしいコーディネートで、鏡に映った姿に納得せざるを得なかったようだ。そこそこの格好の時に言っても説得力に欠ける。
遂に夫の重い腰が上がり、家にいるときの服装は改善された。
夫は身長180センチを超える。髪はプラチナブロンド。昔に比べれば少なくなってはきたがきちんと整髪し、無精にしていることはない。太ってもいないし、なかなか良い男なのである。
しかし外出の時、ラコステのポロにするまで、型崩れしないきれい目な色の服に誘導するまで何年かかっただろう。
そこから始めたら、他がやっと付いてきて、「母さん、(コーディネート)これでいいかな」なんて言うようになった。
ところが話は戻るが、家の中では夫の独壇場。センス満開。鼻が異常に良くて、年中臭いだの何だの言ってるから自分も加齢臭はイヤらしく、全く臭いはしない。その辺のラインはあるようだ。
あのスタイルに臭いが加わったら、敵なしだろうなあ。
で「底」に行ったときのパンチで「気づいた」のだろう。頭ごなしに言っても動かない。自分で気付き、自分で変えようとしなければ。
手が焼ける。あの毛玉だらけはゴミに出されていないから、「掃除の時や作業用に捨てていい服が必要だ」とか何とかの理由でしまってあるのだろう。そして存在を忘れる。でもいいです。それで。
ただ一つ失敗したかなと思ってるのは、
前髪が時々落ちてくるのが邪魔なんだというので、私が入院する時に作ったバンダナキャップを色とりどり8枚ほどあげたら、気に入ったのか毎日取っ替え引っ替え被ってること。
ケアマネさんやレンタルのお兄さんに「ご主人、蕎麦打ちする人みたいですねー」ってお世辞なのか何なのか言われて、良い方にとっちゃったんだろう。
被り方違うんだよね。何でそうなるかなあ。それだと、日本昔話の灰を撒いてるお爺さんなんですけど。