今日から

日々を綴る

医師

これまで自分と家族の病気で本当に沢山の医者に会って来た。

選ぶ余地なくかからざるを得なかった人もいれば、追い詰められて血眼になって探してたどり着いた人もいる。



友人の中に、夫婦そろって頑健、病気知らず。よってその子供たちも三人が三人心身共に健全で、子供たちが小学校に上がる時、かかりつけ医を書類に書かなければならなかったが、思いつかなかったと笑った人がいる。


しかしそれは稀な例だろう。そして私はそれを心底羨ましく聞いた。

病院通いが絶えたことはない。ずっと。私は「ポンコツ遺伝子のせいだわ」と笑うしかない。


で、ポンコツが、歩く病のデパートが病院巡りの中で得た教訓はただ一つ。

「医者を選べ」

全てこれに帰する。


恫喝系、金満系、人情系の裏の適当系、それ許されるの?人として系、あまりにヤブでニッチもさっちも系、等々。

分類名に冷静さを欠いてきたのでカテゴライズはこの辺で。


一方で、砂漠であそこに光るあの粒を取ったと思える医者がいる。

アトピーで熟れたトマトのようになった一歳の娘を、うろたえる若い母親を時間を掛けて親身になって診続け、地獄の底から引っ張り上げて下さった医師。

お互い年を取りましたよねと、笑いながら今話をする。30年以上のおつきあいになった。


今PDでお世話になった先生も、命を委ねているのであって、やっとやっとたどり着いた。


医師、志無くしてなれないはずなのに。

人生勉強の場だった。金銭的な詐欺に合ったことはないけど、この年になって、

もうこれからは選ぶこともなく(自分については)このまま行くことになるだろうけれど、あの石だらけの砂漠は二度と見たくないと心から思う。