彼方の言葉 愛しく
孫はまだ将棋に飽きていないようで、長女が伝えて来ました。
歩道の正方形の敷石をピョンと斜め前に跳びながら「桂馬だな」と言った由。
ちょっと笑ってしまいました。
その母親は同じ歳の頃、西陽の当たるマンションで夕陽を見ながら
「おひさま とけちゃった」
と呟きました。
ついこの間孫の産声を聴いたような気がします。五年などあっという間です。
そして長女と夕陽を見ていた夕暮れは更に遠い遠い彼方の記憶になりました。
孫の成長の早さに改めて驚きながら、「子供は五歳迄にその可愛さで一生分の親孝行をする」という言葉を思い出しています。一抹のほろ苦さと共に。