おしまいだよ
フーテンの寅さんの口癖に
「それを言っちゃあおしまいだよ。」
というのがあった。
学生時代、友人Hとお正月には寅さんを観に行った。内容はすっかり忘れてしまったが、今幾つかの人生訓とも言える言葉が思い出される。
一つ目が上記の言葉。
「それを言っちゃあおしまいになってしまう。あの子がそうしたのは道理が分からない訳ではない。そうしなくちゃならなかったんだ。壁際まで追い込んで言い負かしたらおしまいだよ。」
人と人との関係、家族という濃厚で密である関係においても友人知人関係においてもそれを言ったらall over ということがあるのだという解釈。
この言葉にもう一つ解釈があるとすれば、人と人との関係性というのではなく、個人の生き方におけるスタンスを言っているのではないか。
例えばここに揺るぎない正義があったとして、誰にも論破出来ない正論があったとして、それでも我々は矛盾に満ちたこの社会で生きなければならない。
「まあ、ちょっと見ててみようじゃねえか。」というのり代を持つ余裕。「わかってるよ。だけど、今それを言っちゃあおしまいだよ。口に出すのと出さないとではまるっきり違うんだ。」
まるで見当違いかも知れない。どういう場面でその台詞を寅さんが口にしていたか覚えていないので。
「身もふたもないこと、今言うべきことと言ってはいけないことがある。」
なんとなく今朝起き抜けに浮かんだ寅さんの言葉。自戒を込めてそんなことを起き抜けの頭で考えています。後日訂正の可能性ありありですけど。
散歩に行って来ます。