今日から

日々を綴る

宮本浩次 再び

半年前からしばらく朝の散歩は快調だった。オンの時間は限られているが足の痛みもなく、モーツアルトを聴きながらテンポに乗って歩けたものだ。

今、一時の不調を超えて朝の散歩に再び出るようにはなったが、その頃の距離の半分以下をようやくといった体で歩いている。

「これぐらい休みなしで歩かなければ」と思いながら足が思うように動かない。小さな公園のベンチに座り、休憩を取る。
お日様が暖かい。離れたベンチには赤ちゃんを抱いたお母さんが1人。太極拳の動きをゆったりと続けている老人が1人。のどかだ。限りなく。

このところ飽くことなく宮本浩次を聴いている。脚の痛みが和らぐまでと思い、イヤホンから流れてくる「冬の花」に身を浸して眼を閉じた。
血を吐くようなソウルフルな歌声に身を浸す。

ゆけただゆけ
いっそわたしがゆくよ

ああわたしが負けるわけがない

涙がこぼれそうになる。恋の歌だけど。
おねえさんは強いって義妹から言われた。ばあばちゃんの血だわって言われた。強くて強くて愛情が濃すぎて、時に辟易させられた母。私もしぶとく生きているように見えるかな。

そう。私が負けるわけがない。か、、、。あかん。嗚咽しそうだ。
朝からこんな濃い時間。
眼を開けると冬の日差しがまぶしいほどだ。戻ろう。
明日はもう少し距離をのばせるといい。

モーツァルトもいいけど歌謡曲も良い。若い頃のように悲しい自分を俯瞰して突き放し、立とうとするのではない。
寂しかったり悲しかったりしたら抗わずにそれに身を浸して、ぷかーっと、あ、ばあさん生きてるかっていう思わせる風情で浮かんでくる。しぶとく。

そんな私は冬の花。
(笑)って入れた方がいいかな。