今日から

日々を綴る

花を買った

歯医者の待合室の椅子に座ってふと外を見てみると、花屋があることに気がついた。何年も通っているのになぜ気がつかなかったのだろう。


治療が終わって医院を出る頃には体が固まりかけていて、たった10メートル歩くのが楽ではない。それでも今日は隣に荷物持ちをしてくれ、片腕を支えてくれる夫がいる。めったにないチャンスだ。


店先には私の街の花屋さんよりずっと気の利いたものが並んでおり、若い娘さんが吟味しながら既に選んだ小さな花束を嬉しそうに大事そうに持っている。花を選ぶ時の表情っていいなと思ったりする。

頭の中には先日見つけた(存在をすっかり忘れていた)ヒヤシンスの水栽培のガラス容器があり、冬を越したいくつかの多肉植物があり。

あれもしたいこれもしたい。


「あった、ヒヤシンス」

多肉もいっぱい」


でも帰宅して疲れていろんな作業ができるだろうか。しかしその時はその時だ。私は花を買う!


マーガレット、アネモネ、スイートピーの切り花とヒヤシンスの鉢を買った。

このご時世、誰を迎えるでもない玄関に自分のために花を飾る。


帰宅して、ヒヤシンスの根を洗いガラス瓶越しに白く伸びるそれを覗いた。瓶の向こうには夫がリビングから見えるように運んだ紅白の梅の花。

ああ、春はいいな。


夫と私の誕生日が2日違いで、一昨日普通に過ぎていった。

昨日、夫が携帯を見ながら最近始めたラインを読んだ。


「〇〇(私が二度と自分からは便りをしないと決めた次女)がさ、お父さんとお母さんに誕生日のプレゼント送ったって。海外からだからちょっと遅れるよって。」(また無駄遣いをして。お給料が安いのに。海外便って一体何を....]


そんなことがあって花を買おうなんて気になったのかもしれない。単純な私。