椅子が欲しい
近くの婦人科に行って驚いたことがある。個人病院で、先生の評判もいい。出産も出来る。建物自体もおしゃれ。
待合室には大型テレビで静かに環境映像が映し出されている。
がっ、しかし!
椅子が木のベンチ。
で、壁に沿ってあるそのベンチ一列も、
それが患者で埋まると玄関のところに丸い座面の補助椅子のようなのが出される。田舎の食堂でも今どき余り見ないのではないかというようなドーナツみたいなビニール張りの。
産婦人科ですよ。
私はPDの症状でドクターショッピングをしていた頃だったけれど、お尻から来るジワジワとした冷えが脚の震えにはキツかったし、丸椅子の時は転げ落ちるかと思った。
大きなお腹の妊婦さんは、辛くないのだろうか。何度か通ううちに、段々腹が立って来た。
以来、病院に行くとどんな椅子を使っているかで、そこの病院(長?)の患者に対する配慮のある無しを感じるようになった。
どこに行っても評判のいいところは患者で溢れている。名前が呼ばれるまで、私がいっている大学病院は一番長い時では普通の待合室で二時間。
中待合で一時間待ち。待合室はクッション性のある椅子だけれど、長椅子で3、4列。椅子と椅子の間が狭くて、バランスが悪い身体がスイスイと通れるような幅ではない。
中待合はソファが少しと折り畳みの金属パイプの、学校で使うアレ。
今、私は昔より症状が良くなっている。座ってはいられるし、待ち時間の長さにも慣れたし、患者の数とスペースから致し方ないとは思う。
でもでも、百歩譲って、でもっ。
パイプ椅子で隣の人と接しないように不随意運動で身をよじり続けているあの患者さん、辛いだろうな。
その病院、会計や表示、案内等々システム的には完備していて申し分ない。
けれど、一番病院として大切な「痛みを抱えてじっと座り続ける患者」が見えているのかどうか。
整形外科で腰に悪い人に立って腰を乗せる形の椅子を設置してあるところがあるが、症状によっては大変楽である。でもこれを増やせば他の疾患の患者が立つことになる。
色々考えれば私の言っていることは無いものねだりなのだろう。
この数十年で、通信手段を始め様々昔は考えられなかったような物が溢れかえる世の中になった。
大病院でパイプ椅子で苦行しなくて済むシステムが考えられてもいいのではないか。頭の良い人、お願いです。なんとかして。
あれ?
椅子の話だったはずが、システムの話になりました?
ずれて来てます?
でもね、冒頭の木のベンチ、やっぱりあれは無いなあ。
で、大病院と個人病院とでは事情が違うだろうけどとにかく優しい椅子に座らせて。
あ、個人病院でありました。
全部革のソファというところ。色んな色で、あちこちから持って来たのかなと思ったけれど、楽だった。「ありがとう」と思いましたもの。
あと椅子については、パーソナルチェアについて思うところあり。
年々、椅子の大切さを強く感じるようになりまして。
さてとトータルで4時間は眠ったようだし、起きます。どっこいしょ。