秘密基地 みたいな
明烏がカアカアと二つ鳴いて、再び静寂が戻った。
間もなく空も明るむだろう。
自室から3歩でテントの入り口。
毛布と枕を運び込み、毛布にくるまって寝転んだ。
なんだろう、この感じ。
側面のジッパーを空が見える分だけ開けた。
いつもなら頭の中には、あぶくのように答えの出ない思いが次から次へと浮かんでくる。
それが1つも浮かんでこない。
澄んだ空気で消されたのだろうか。
ふと思いついて手に入れた小さなささやかな非日常。
いいな、非日常。
日曜日、1年生になった孫に
「コレ、ばあたんが建てたんだよ」と見せたら、目を丸くして喜び、ずいぶん長いこと遊んでいた。
恐らく私のわくわくも小学生レベル。
しばらく色々なものを持ち込んで遊べそうです。